「定年後は退職金で日本一周」そんな夢を抱いていませんか?
しかし、YouTubeなどで見かける「100万円で日本一周」という言葉を鵜呑みにするのは危険です。体力のある若者ならともかく、私たち50代が同じ予算で旅をすると、過酷な「修行」になりかねません。
この記事では、元会計実務担当の現役公務員である私が、ガソリン代、食費、宿泊費、そして見落としがちな「隠れコスト」まで、電卓を叩いて厳正に積算しました。その結果見えてきたのは、100万円という数字のシビアな現実と、快適な旅に必要な「本当の予算感」です。
老後の資金を減らさず、かつプライドを保てる旅を実現するために、私たちが準備すべき金額と、その資金を会社に頼らずに生み出すヒントについて解説します。夢を数字で管理し、確実に実現させましょう。
「100万円」は可能だが、50代には「修行」に近い
結論から申し上げます。
予算100万円での日本一周は、計算上は「可能」です。
ただし、これには大きな条件がつきます。
それは「学生のような体力があり、不測の事態が起きず、かつ観光や食事をかなり我慢するならば」という条件です。
私たち50代、60代がイメージする「自由気ままに、各地の美味しいものを食べ、たまには温泉宿で足を伸ばす」という旅を100万円で収めるのは、実は至難の業です。
元会計担当として、予算執行の観点からその内訳を分解していきましょう。
日本一周12,000kmの「厳正な積算」内訳
日本一周の定義は人それぞれですが、ここでは一般的に言われる「海岸線を一周するルート(約12,000km)」を、標準的な軽自動車で「100日間」かけて回るモデルケースで計算します。
ガソリン代:絶対に削れない固定費
まず、物理的に回避できないのが燃料費です。
走行距離を12,000kmとし、観光での寄り道を加味して15,000kmと仮定します。
近年のガソリン価格高騰は無視できません。本記事執筆時点の相場観と、地方のスタンドの割高設定を考慮し、安全率を見込んでリッター180円で計算します。
燃費は荷物を積んだ軽自動車(リッター15km)とします。
- 走行距離:15,000km
- 燃費:15km/L
- 消費燃料:1,000L
- ガソリン代合計:180,000円
これはエンジンを回して走るだけの費用です。夏場や冬場の車中泊でエアコンを使うためにアイドリングをすれば、さらに跳ね上がります。
食費:旅の満足度を左右する変動費
1日3食、100日間で計300食。ここが最大の分かれ目です。
「100万円」を主張する若者の多くは、ここを極限まで削っています。朝はパン、昼はチェーン店、夜は半額弁当や自炊。これで1日1,500円以下に抑えています。
しかし、せっかく定年後に自由を手に入れた私たちが、地方の漁港でカップラーメンをすするだけで満足できるでしょうか。
「せっかくだから海鮮丼を(2,000円)」「夜は地酒を一杯(3,000円)」という日も欲しいはずです。
- 平時(70日):1日2,000円(スーパーや道の駅で質素に)=140,000円
- 贅沢日(30日):1日5,000円(名物料理や外食)=150,000円
- 食費合計:290,000円
これでも、毎日飲み歩くような予算ではありません。かなり自制心が必要です。
宿泊費:50代の腰を守るための必要経費
ここが若者と私たちの決定的な違いです。
100日間、毎日狭い車内で寝続けることは、エコノミークラス症候群のリスクや、慢性的な睡眠不足、腰痛の原因になります。
再雇用で働くにせよ、完全リタイアするにせよ、体を壊して帰宅するのは最悪の決算です。
3日に1回はビジネスホテルや民宿で布団に寝て、疲れをリセットすると仮定します。
- 車中泊(67泊):0円(道の駅やRVパーク利用料含むと実際は少しかかります)
- 宿泊(33泊):1泊7,000円(安価なビジホ)=231,000円
- 入浴・洗濯(車中泊の日):1回800円×67日=53,600円
- 宿泊・衛生費合計:284,600円
「見えないコスト」という落とし穴
会計担当として見逃せないのが、以下の雑費です。
- フェリー代: 北海道や九州へ渡る際、車両航送代は高額です。往復や島めぐりを含めると、最低でも80,000円は見ておく必要があります。
- 車両メンテナンス: 15,000km走れば、オイル交換は最低3回(1回5,000円×3=15,000円)。タイヤも摩耗します。予備費として30,000円。
- 観光・雑費: 入場料、駐車場代、お土産、消耗品など。1日500円計算でも50,000円。
その他諸経費合計:160,000円
最終積算結果と「予算超過」の現実
さて、ここまでの数字を足し合わせてみましょう。
- ガソリン代:180,000円
- 食費:290,000円
- 宿泊・衛生費:284,600円
- その他諸経費:160,000円
総合計:914,600円
「お、100万円に収まっているじゃないか」と思われたでしょうか。
数字上はそうです。しかし、残額は約85,000円しかありません。
これは、車両の突然の故障(パンク修理やバッテリー上がり)、病気や怪我による通院、あるいは天候不良による停滞などの「不測の事態」に対してあまりに脆弱です。
公務員の予算編成では、このようなカツカツの予算組みは好まれません。
余裕を持って楽しむためには、「安全率20%」を乗せた120万円〜130万円が、50代にとっての適正予算であるというのが私の結論です。
大切な退職金を取り崩さずに旅に出る方法
「130万円もかかるなら、退職金を使うしかないか」
そう諦めるのは早計です。私がこのブログでお伝えしているのは、組織に頼らず自分の力で稼ぐ方法です。
例えば、私が実践しているKindle出版。
現役時代に培った「分かりやすい報告書を書くスキル」や、あなたが長年取り組んできた趣味の知識を電子書籍にまとめるだけで、旅の資金を作ることが可能です。
仮に月5万円の印税収入があれば、1年で60万円。2年貯めれば120万円です。
定年までの残り数年、ただ漫然と過ごすのではなく、「日本一周資金を自分のペンで稼ぐ」という目標を持って副業に取り組んでみてはいかがでしょうか。
自分の力で稼いだお金で回る日本一周は、退職金を切り崩して行く旅行とは比べ物にならないほどの「達成感」と「自由」を味わえるはずです。


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