「再雇用」を断る勇気!安定を捨てて自由を選んだ元公務員の決断理由すべて

再雇用を断る勇気 組織を出た生き方
再雇用を断る勇気

定年退職の辞令を受け取ったあの日、私の手元には「再雇用申出書」がありました。多くの同僚が迷わずサインをする中、私はそれを提出しませんでした。公務員という、日本で最も安定した組織のレールから、自ら降りる決断をしたのです。

「もったいない」「年金が出るまでの空白期間はどうするんだ」「組織を離れて一人でやっていけるはずがない」

周囲からは心配という名の反対意見を数多く頂きました。確かに、毎月決まった日に給与が振り込まれる生活は魅力的です。しかし、60歳からの人生を「組織への依存」で塗りつぶしてしまって本当に良いのでしょうか?給料が下がり、かつての部下が上司になり、それでもしがみつく。それが私の望む「豊かな老後」なのかと自問自答した結果、私の答えは「NO」でした。

この記事では、元国家公務員であり会計実務のプロであった私が、なぜ再雇用を断り、どのようにして「自分年金」を作り上げているのか。その決断の理由と、退職後5年間のリアルな生活、そしてお金の計算について包み隠さずお話しします。これは単なる回顧録ではなく、これから定年を迎えるあなたが、自分の人生の主導権を取り戻すための生存記録です。

なぜ私は「安定の特急券」である再雇用を捨てたのか

長年勤め上げた組織を去ることは、決して簡単な決断ではありませんでした。しかし、定年延長や再雇用制度の実態を冷静に観察すればするほど、そこにとどまることのリスクの方が大きいと感じるようになったのです。私が「安定」と言われる切符を破り捨てたのには、明確な3つの理由があります。

再雇用を断る勇気
再雇用を断る勇気

給与半減・責任不変の「理不尽な契約」への違和感

公務員の世界に限らず、再雇用後の給与水準は現役時代の4割から6割程度に落ち込むのが一般的です。もちろん、業務内容が軽くなり、責任も軽減されるのであれば納得がいきます。しかし、現場の実態はどうでしょうか。

人員削減が進む昨今、再雇用職員であっても現役時代と変わらない業務量を任されるケースが多々あります。ベテランであるがゆえに、「分からないことはあの人に聞け」と頼られ、若手の指導からトラブル処理まで奔走させられる。それなのに、給与明細の額面だけは半分以下になっている。

私は会計実務を担当していましたので、数字にはシビアです。「同じ労働力を提供しているのに、年齢という理由だけで単価が半分になる」。この理不尽な契約を受け入れることは、自分自身のこれまでのキャリアやスキルを安売りすることと同義だと感じました。自分の価値は自分で決める。そう考えた時、組織が提示する金額での労働はできないと判断しました。

組織の看板を下ろし「ただの人」に戻るタイミング

公務員、特に役職についていた人間は、知らず知らずのうちに「組織の威光」を自分の実力だと勘違いしがちです。しかし、一歩役所を出れば、私たちはただのおじさんであり、おばさんです。

再雇用を選べば、さらに5年間、その「勘違い」を延命させることができます。しかし、65歳で完全に組織を離れた時、果たして社会に適応できるでしょうか。気力も体力も今より衰えた状態で、初めて「ただの人」としての荒波に放り出されることへの恐怖がありました。

まだ気力も体力も充実している60歳のうちに、自ら組織の看板を下ろす。そして、裸一貫の自分で社会と対峙し、自分の足で立つ訓練を始める。それが、人生100年時代を最後まで自分らしく生き抜くための、最も賢明な選択だと思いました。

「60代の5年間」は人生で最も貴重な黄金時間

人生には「お金」以上に大切な資源があります。それは「時間」と「健康」です。60代前半は、多くの人がまだ健康上の大きな問題を抱えず、身体を自由に動かせる最後の「黄金の10年」の前半戦です。

この貴重な5年間を、生活費のためだけに、意に沿わない仕事や人間関係に費やして良いのでしょうか。再雇用で週5日、フルタイムで拘束されれば、長期の旅行も、新しい趣味への没頭も、すべて「週末」か「引退後」に後回しになります。

私は、自分の相棒であるオートバイで日本中を旅したいという夢がありました。また、執筆活動に専念したいという思いもありました。これらを70歳近くまで先送りした場合、体力的に実現可能か分かりません。「いつか」は来ないかもしれない。そう思った時、今の自由な時間を確保することが最優先事項となったのです。

再雇用なしで生き残るための「お金のリアルと勝算」

精神的な自由がいかに素晴らしくても、霞を食べて生きていくことはできません。特に60歳から年金受給開始となる65歳までの5年間、いわゆる「魔の空白期間」をどう乗り切るかは、再雇用を断る上での最大の懸念事項でしょう。私は無謀な賭けに出たわけではありません。元会計担当としての緻密な計算と、新たな収益源の確保という「勝算」がありました。

退職金と貯蓄を食いつぶさない「守りの会計術」

退職後、多くの人が陥るのが「住民税」「国民健康保険料」の高さに驚愕し、退職金を切り崩すパターンです。前年の所得に基づいて計算されるこれらの公的負担は、無職になった翌年に重くのしかかります。

私は在職中から、退職後の税務シミュレーションを入念に行っていました。

まず、国民健康保険と、在職していた共済組合の任意継続、どちらが得かを具体的に計算しました。扶養家族の有無や住んでいる自治体の料率によって最適解は異なります。また、退職金についても、一時金で受け取るか年金払いで受け取るかで、税金(退職所得控除の活用)や社会保険料への影響が大きく変わります。

さらに、個人事業主として開業することで、パソコンや通信費、取材のための旅費などを経費として計上し、適正な節税を図る準備もしていました。こうした「守りの知識」があるだけで、手元に残るお金は年間数十万円単位で変わってきます。組織を離れるからこそ、自分を守るための会計知識は必須の武器となるのです。

公務員の文章力は金になる!在庫リスクゼロの「攻めの稼ぎ方」

「稼ぐ」というと、株やFXなどの投資、あるいは飲食店経営などをイメージされるかもしれません。しかし、退職金を元手にしたハイリスクな投資や起業は、虎の子の老後資金を溶かす危険な行為です。私が選んだのは、初期投資がほとんどかからない「ネットを活用したコンテンツビジネス」でした。

具体的には、当サイトでも紹介している「Kindle電子出版」と「専門特化ブログ」です。

長年公務員として働いてきた皆様なら、起案文書や報告書の作成で「事実を正確に、分かりやすく伝える文章力」が鍛えられているはずです。このスキルは、ネット社会において非常に高い価値を持ちます。

自分の経験や知識、趣味のノウハウを文章にまとめ、電子書籍として出版する。あるいはブログで発信する。これらは一度作ってしまえば、自分が寝ている間も、ツーリングに行っている間も、チャリンチャリンと収益を生み出してくれる「資産」になります。在庫を抱える必要も、店舗を借りる必要もありません。パソコン1台あれば、自宅がオフィスになります。この「リスクのなさ」こそが、シニア起業における絶対条件です。

60歳からの開業は「ごっこ遊び」ではない

私が強調したいのは、これらを単なる「趣味」や「お小遣い稼ぎ」としてやるのではなく、きちんと「事業」として取り組む姿勢です。

開業届を出し、青色申告承認申請書を提出する。これによって最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。ビジネスとして取り組む以上、読者が何を求めているかをリサーチし、質の高い情報を提供する義務が生じます。

しかし、現役時代のような理不尽なノルマや、嫌な上司の決裁は存在しません。すべての責任は自分にありますが、すべての成果も自分のものです。自分の書いた本が売れ、読者から感謝のレビューが届いた時の喜びは、組織の中では味わえなかった種類の充実感です。「自分の力で稼いでいる」という実感こそが、老後の不安を払拭する一番の薬になります。

組織を出て初めて知った「孤独」と「真の自由」

お金の算段がついたとしても、「社会的なつながりがなくなる」ことへの不安を感じる方は多いでしょう。実際に5年間、組織に属さない生活を送ってみて感じた、光と影についてお話しします。

肩書きを失った喪失感と、それを超える開放感

退職直後の数ヶ月は、確かに不思議な感覚に襲われました。朝、決まった時間に起きなくていい。誰からも電話がかかってこない。手帳のスケジュールは真っ白。社会から必要とされていないのではないかという、微かな寂しさを感じたことは否定しません。

しかし、その寂しさはすぐに圧倒的な「開放感」に上書きされました。

満員電車に乗らなくていい。嫌なニュースを見ても、組織への影響を心配しなくていい。何より、理不尽な命令に頭を下げる必要がないのです。

街を歩いていても、誰も私を「元東大職員」とは見ません。ただの初老の男性です。しかし、その透明人間のような状態が、これほど気楽だとは思いませんでした。肩書きという重い鎧を脱ぎ捨てた身体は驚くほど軽く、呼吸が深くなったように感じました。

平日のツーリングで見えた「大人の特権」

現在、私は天気の良い平日を選んで、愛車でのツーリングを楽しんでいます。

観光地は空いており、道路も快適です。現役時代、渋滞に巻き込まれながら疲弊していた休日とは別世界です。旅先で出会う人々とは、かつての肩書きではなく、一人の旅人として対等に会話を楽しみます。

また、電子出版を通じて、ネット上で新たな読者や仲間とのつながりも生まれました。それは利害関係に基づくドライな関係ではなく、共通の興味関心で結ばれたフラットなコミュニティです。

「組織を出たら孤独になる」というのは思い込みでした。むしろ、組織の枠を超えた、より広くて自由な世界が待っていたのです。

ストレスフリーな環境が健康寿命を延ばす

再雇用を選ばなかった最大のメリットは、健康面かもしれません。

現役時代に感じていた慢性的な胃の不調や、不眠の症状は、退職後嘘のように消えました。ストレスが免疫力を下げ、老化を早めることは医学的にも知られていますが、今の生活はまさに「ノーストレス」です。

好きな時に起き、好きなものを食べ、適度に頭を使って文章を書き、身体を動かす。この生活サイクルそのものが、医療費の節約になり、結果として資産を守ることにつながっていると確信しています。

後悔しない決断をするために50代から準備すべきこと

もしあなたが現在50代で、将来的に「再雇用なし」の選択肢を考えているなら、今すぐ準備を始めることを強くお勧めします。定年退職の当日にいきなり魔法が使えるようになるわけではありません。

組織内の評価よりも「市場価値」のあるスキルを磨く

役所内の決裁ルートに詳しいことや、根回しの上手さは、一歩外に出れば1円の価値もありません。組織内だけで通用する「ポータブルではないスキル」に時間を費やすのはやめましょう。

代わりに、どこに行っても通用するスキルを磨くのです。私の場合は「会計知識」と「ライティング能力」でした。ITスキル、語学、あるいは特定の趣味の専門知識でも構いません。「組織の看板がなくても、人が話を聞きたがる何か」を育ててください。

会社員マインドから「個人事業主マインド」への切り替え

公務員や会社員は「誰かが仕事を持ってきてくれる」待ちの姿勢が基本です。しかし、独立後は「自分で仕事を作る」姿勢が求められます。

このマインドセットの切り替えには時間がかかります。在職中から、副業(公務員の場合は兼業禁止規定に抵触しない範囲での準備活動や、ポイ活、投資など)を通じて、自分の判断でお金を動かす練習をしておくことが重要です。

家族(特に配偶者)へのプレゼンテーションと合意形成

最後に、最も重要なのが家族の理解です。奥様や旦那様にとって、あなたが「毎日家にいる」ことや「安定した給料がなくなる」ことは大きなストレス源になり得ます。

私は退職の2年前から、退職後の収支計画、生活のリズム、そして「何をして稼ぐか」を具体的にプレゼンテーションし、合意を得ていました。「なんとかなる」という楽観論ではなく、数字に基づいた計画を示すことで、家族はあなたの応援団に変わります。

まとめ:人生のハンドルを自分の手に取り戻そう

再雇用を断ることは、決して無謀なことでも、逃げでもありません。それは、残された人生を自分の意志でデザインするための、積極的で勇気ある選択です。

もちろん、再雇用を選んで安定を得ることも一つの正解です。しかし、もしあなたが今の組織に違和感を感じ、もっと自由で自分らしい生き方を求めているのなら、外の世界に飛び出すことを恐れないでください。

私たちには、長年の勤務で培った経験という資産があります。そして、今は個人がコストをかけずにビジネスを始められる素晴らしい時代です。

「元公務員流!年金に頼らない稼ぎ方」では、これからも私が実践している具体的なノウハウを共有していきます。

定年はゴールではなく、新しい冒険のスタートラインです。

組織の論理ではなく、自分の心に従って、最高のセカンドライフを選び取ってください。

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