「定年後は、現役時代のスキルを活かしてネットで稼ぎたい」。そう考えた時、多くの人が直面するのが「ブログとKindle出版、どちらを始めるべきか?」という悩みです。
ブログは資産性が高いと言われますが、収益化までには長い時間がかかります。一方、Kindle出版は即効性がありますが、書き続けなければ埋もれてしまう不安もあります。
元公務員として安定を捨て、退職後の5年間をこの「2つの事業」に費やしてきた私がたどり着いた結論。それは、「どちらかを選ぶ必要はない。むしろ両方やることで、収益は加速する」という事実でした。
この記事では、実際に私が積み上げてきた収益データと経験をもとに、ブログとKindleそれぞれのメリット・デメリット、そして賢い「使い分け」と「相乗効果」について解説します。
組織に頼らず、自分の力で「自分年金」を作りたいと願う同世代の方へ。遠回りをせず、最短距離で成果を出すためのロードマップをお渡しします。
【結論】ブログとKindle、どっちが稼げるのか?
まずは、皆さんが一番知りたい「収益性」の比較から始めましょう。これは、私が過去5年間の運用データを分析し、それぞれの特徴を「稼ぎやすさ」という観点で比較したものです。

初速のKindle、伸びしろのブログ
もしあなたが、「退職してすぐに、月数万円でもいいから現金が欲しい」と考えているなら、迷わずKindle出版をおすすめします。KindleはAmazonという巨大な集客装置の上で商売ができるため、無名の新人であっても、出版した翌日から収益が発生する可能性があります。特に「Kindle Unlimited(読み放題)」の仕組みは強力で、購入されなくても読まれたページ数に応じて報酬が入るため、収益化のハードルが極めて低いです。
一方、ブログは「農耕型」のビジネスです。記事を書いても、Googleの検索エンジンに評価され、アクセスが集まり始めるまでには、早くても半年から1年かかります。最初の数ヶ月は「時給0円」の期間が続くことを覚悟しなければなりません。しかし、一度アクセスが集まり始めれば、アフィリエイト広告などを通じて、Kindle単体では難しい「月数十万円」という大きな収益を生み出すポテンシャルを秘めています。
Kindle出版:元公務員に最適な「ストック型」資産
私は退職後、まずKindle出版からスタートしました。その理由は、公務員時代に培った「文書作成スキル」をそのまま活かせると直感したからです。
「読まれるだけで稼げる」KENPの破壊力
Kindle出版には、紙の本にはない「KENP(Kindle Edition Normalized Pages)」という独自の収益システムがあります。これは、読み放題サービスの会員に読まれたページ数に応じて、1ページあたり約0.5円前後のロイヤリティが支払われる仕組みです。
「たった0.5円?」と侮ってはいけません。もしあなたの本が200ページあり、それが月に100人に最後まで読まれたとしたらどうでしょう。それだけで1万円の収益です。私の経験上、無名の著者が書いた本を購入(ダウンロード購入)してもらうのはハードルが高いですが、読み放題で「試し読み」してもらうのは比較的容易です。私の収益の約6割は、この「読まれたページ数」によるものです。
一度出版してしまえば、Amazonという巨大なプラットフォームが24時間365日、あなたの代わりに営業してくれます。メンテナンスの手間もほとんどかかりません。まさに、寝ている間もチャリンチャリンと小銭を稼いでくれる「自分年金」の第一歩として最適です。
5年間で積み上げた「ロイヤリティ」の現実
実際の数字をお話ししましょう。私は退職後の5年間で、ロイヤリティ(印税)の累計額が540万円を超えました。これはベストセラー作家のような華々しい数字ではありませんが、退職金を取り崩さずに生活するための「防波堤」としては十分な金額です。
1年目は月数千円という厳しいスタートでしたが、冊数が増えるにつれて「まとめ読み」が発生し、3年目には月10万円前後で安定するようになりました。Kindleは「フロー(一時的な収入)」ではなく「ストック(積み上げ資産)」であることを痛感しています。
特化型ブログ:趣味を「事業」に変えるレバレッジ装置
Kindleがある程度軌道に乗ってから、私はブログ運営にも力を入れ始めました。テーマは「バイク」や「車」などの趣味、そして「退職後の生き方」です。
AI時代に生き残る「体験」の価値
昨今、「ブログはオワコン(終わったコンテンツ)」などと言われることもありますが、それは「誰でも書けるような情報のまとめ記事」の話です。私たち50代以上が持っている「実体験」や「失敗談」は、AIには決して書けない一次情報として、むしろ価値が高まっています。
例えば、私が書いている「平日ツーリングのルート紹介」や「旧車の維持費の実録」などは、実際にその場に行き、所有している人間にしか書けません。こうした「濃い情報」を求める読者は、記事内で紹介したバイク用品やサービスを信頼して利用してくれます。Kindleが「薄く広く」稼ぐものだとすれば、ブログは特定のファンに向けて「深く」稼ぐツールだと言えます。
アドセンスより「アフィリエイト」を狙う
ブログの収益源には、クリックされるだけで報酬が入る「Googleアドセンス」と、商品が売れたら報酬が入る「アフィリエイト」があります。中高年の趣味ブログなら、断然アフィリエイトがおすすめです。
車検の見積もりサービスや、バイクの買取査定、あるいは旅行予約サイトなど、私たちの趣味に関連するサービスは単価が高いものが多く、月に数件成約するだけで数万円の収益になります。アクセス数が少なくても、読者の悩みに寄り添う記事が書ければ収益化できるのがブログの強みです。
「両方やる」からこそ生まれる最強の相乗効果
ここからが本題です。なぜ私が「両方やるべき」と主張するのか。それは、この2つを組み合わせることで、単独でやる場合の何倍もの効果(シナジー)が生まれるからです。
コンテンツの「再利用」で労力を半減させる
ブログ記事を書き溜めたら、それを整理・加筆してKindle本として出版する。あるいは逆に、Kindle本として書いた内容を分割してブログ記事にする。これは「ワンソース・マルチユース」と呼ばれる手法ですが、私たち個人がビジネスをする上で必須の戦略です。
私は、ブログで反響の大きかった記事テーマを深掘りして電子書籍化しています。ブログ記事が「点」だとすれば、それをつなぎ合わせて「線」や「面」にしたものが電子書籍です。ネタを考える時間は一度だけで済み、収益源は2つになります。これこそが、限られた時間を有効に使うための知恵です。
「著者」という肩書きがブログの信頼性を高める
ブログのプロフィール欄に「Amazon Kindleランキング〇〇部門1位獲得」「著書多数」と書ける効果は絶大です。どこの誰とも知らない個人のブログよりも、「本を出している著者」のブログの方が、読者は信頼を寄せます。
信頼が高まれば、ブログで紹介した商品の成約率も上がりますし、Googleからの評価(E-E-A-T)も高まりやすくなります。Kindle出版は、単なる印税稼ぎだけでなく、あなたの「ブランド」を作るための最強のツールでもあるのです。
集客の「相互送客」システムを作る
Kindle本の巻末に、自分のブログへのリンクやQRコードを貼っておきます。「より詳しい情報や最新の写真はブログで公開しています」と誘導するのです。Kindleであなたのファンになった濃い読者がブログを訪れてくれれば、そこでのアフィリエイト収益も期待できます。
逆に、ブログの記事下で「このテーマについて体系的にまとめた電子書籍が出ました」とKindle本を宣伝することも可能です。Amazonの外部からお客さんを連れてくることは、Amazonのアルゴリズム的にも評価され、ランキング上昇につながります。この「相互送客」のサイクルが回り始めると、広告費をかけずに集客を自動化できます。
失敗しないための「使い分け」戦略
両方やるといっても、全く同じ内容を載せるわけではありません。それぞれのメディアの特性に合わせた「使い分け」が重要です。
Kindleは「教科書」、ブログは「ニュース」
Kindle本には、時間が経っても色あせない「普遍的なノウハウ」や「体系的な知識」をまとめます。例えば「50代からのバイク入門」や「退職金を守る手続きマニュアル」などです。一度作れば数年間は修正なしで売れ続けるものを目指します。
一方、ブログには「最新情報」や「個別のトラブル解決」を書きます。「2026年版おすすめドライブレコーダー」や「〇〇峠の通行止め情報」など、鮮度が重要で、随時リライト(修正)が必要な情報はブログが適しています。
読者の「検索意図」で切り分ける
Kindleの読者は、「体系的に学びたい」「暇つぶしに面白い読み物を探している」という、比較的ゆったりとしたマインドを持っています。ですので、読み物としての面白さや、章立ての綺麗さを意識します。
ブログの読者は、「今すぐこのエラーを直したい」「ここへの行き方を知りたい」という、緊急性の高い悩みを持って検索してくることが多いです。ですので、前置きは短く、結論と解決策をズバリ提示する構成を意識します。
まとめ:まずは「Kindle」で小さな成功体験を
ここまで、ブログとKindleの相乗効果についてお話ししてきましたが、これから始める方へのアドバイスとしては、「まずはKindle出版から始めて、ネタが溜まったらブログへ展開する」という順序をおすすめします。
理由は単純で、Kindleの方が「結果が出るのが早い」からです。ブログは最初の半年間、誰にも読まれない孤独な作業に耐える必要がありますが、Kindleなら出した翌日に「1冊売れた」「10ページ読まれた」という反応が得られます。この「自分の力で稼げた」という小さな成功体験こそが、長くビジネスを続けるための燃料になります。
組織を離れた私たちが手に入れた最大の資産は「自由な時間」です。この時間を、ただ消費するのではなく、資産を作るために投資する。Kindleとブログという2つのエンジンを回して、年金に頼らない盤石な収益基盤を築いていきましょう。あなたの経験は、必ず誰かの役に立ち、そして価値ある資産となります。

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